出会い。

62/62
前へ
/129ページ
次へ
 自力では立ち上がることも儘ならず、崩れる様に倒れ込み、それでもなお穴の中へ進もうともがく僕の頭を掴み、1曹は無理やり肩に身体を抱えた。 「ちょっと、あんたやめてくれ!」 「いうこと聞けよ、2曹」  そう言いおっさん1曹は担架に僕を無理やり乗せ、周囲に居た空挺隊員たちが手慣れた手つきで落下防止のベルトを幾重にも締めていく。 「くそ、これを解けよ。僕は彼女を救うと決めたんだ!」  力が入らない両方の手足を、緩慢にバタつかせ抵抗する僕を載せた担架は、無情にも着陸したV22アスプリーの胴体に吸い込まれていったのだった。
/129ページ

最初のコメントを投稿しよう!

31人が本棚に入れています
本棚に追加