31人が本棚に入れています
本棚に追加
出会い。
僕たちが走っている地方都市は、昔の言い方だと東海地方てところにあって、今の区分だと東部管区のBY地区てことになってる安城市だった場所で、二年前の大規模暴動で荒廃化が著しく街灯の大半が破壊されているか、電灯自体が盗まれていて、あちこち傷んだ幹線道路を照らす照明もなく夜空同様真っ暗闇の世界だった。
≪マルチ暗視装置の調子はどうかな?調整はバッチリだったと思うんだけど≫
「問題ないよ。むしろ昼間みたいによく見えるよ」
そう従来の、例えば半年前まで乗っていた?22式改?のドット絵みたいなカラー映像に比べたら全くの別物、綺麗なカラー映像で僕に周囲の情景を映し出してくれている。しかも僕の視線に合わせて滞りなくズームまで行ってくれるのだから、技術の革新スピードには目をみはるばかりだった。
でも。
「それでも昼間っだってのにさ、空には太陽やごく薄く光ってるはずの星々の輝きは見ることは出来ないんだよね」
≪仕方がないよ。黒い月が全てを隠しちゃってるんだからさ≫
「でも見て見たいのさ」
いくら人の技術の進歩が驚異的でも、あの地球に覆いかぶさっている?月?を除くことが出来ない。
最初のコメントを投稿しよう!