見通せぬ暗闇。

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 はあ、溜息をつきながら寝返りをうつ。 戦いの中で上腕から肩まで裂けていた左手の感覚はまだ戻らないが、24式装甲機動体にも使われている人工筋肉と筋膜の移植で無事に手術が成功したらしい腕は、半月もすれば治癒してちゃんと動くらしい。それに額の傷も10針縫ったが、傷としては大したことはないと医者には聞いた。 「早く治して、戦場に戻りたいな」 ≪焦らずゆっくり養生するんだね≫  僕は素直なので、医者や看護師に言いつけられた事柄はキッチリ守っている。 全身の打ち身の所為であまりうまくは動けないけど、ベットの中で出来るリハビリもちゃんとに熟す毎日だ。 お陰で悲鳴を挙げたくなるくらいだった身体の痛みも、ここ数日で徐々にだが引きはじめ、こり固まっていた関節も滑らかになって来た。 「リンネ」 ≪なあに?≫ 「次、どこに派遣されるかはわからないけれどさ」 ≪うん♪≫ 「いつかきっと彼女を見つけたいな」 ≪見つかるといいね≫  骨だけになっていても構わない。 せめて助けられなった罪滅ぼしに、僕やリンネが二人で入る予定で買った墓に一緒に納めてあげたい。魂だけでも救ってあげたい。そう僕は思ったのだ。 「友(ゆ)希(き)さん、点滴の追加在りますけど構いませんか?」     
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