見通せぬ暗闇。

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 結果。反政府勢力の各団体は、各々が四国支配の正当性を主張し合い、血で血を争う抗争が勃発。しかして四国地方は戦国時代もかくやと云う様相を呈していたのだ。 これを奇貨と観た群青勝負が、防衛軍統合幕僚監部に攻略準備を指示したのだ。 「で、僕は誰も住んでいない旧香川県三豊市の郊外で、またぼっちで佇んでるワケね」  困ったもんだね。 などとリンネと二人ごちて、笑い合う。  こうしている間も作戦は順調に進展しているようで、それを証明するかのようにレーザー通信で得られた情報を表示している疑似モニターには、千を超す各種機動装甲体が丸亀城要塞の火点を次々と潰しながら一定の速度で前進、これを十数両の10式戦車と16式機動戦闘車が的確に支援して、洋上の艦船と背後に控えている自走砲が、制圧射撃を加えている様子が光点となって映し出されていた。 「さてね、奴らどう出るのかな」  期待に胸を躍らせながら僕は戦闘の行方を見守りつつ前進を続けていく。  どんどん城内深部に追い込まれていくゲリラは、適切な反撃を行う事すらまともにさせてもらえず、続々と肉塊になって一方的に鎮圧されていく。 中には城内から脱出を図る一群もいるには居たが、即座に探知されては殲滅されていた。 「もしかして期待はずれかな、これ」     
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