見通せぬ暗闇。

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「了解、01。226出番だ。規定に沿って行動せよ」 「226了解、行動を開始するね、おわり」 「01了解、気張れよ。おわり」  師団本部のハスキーボイス通信士からの指令を受け、伝えられた作戦のシナリオ通りの行動を開始する。 「索敵モードを維持しつつ戦闘機動を実施するっと」  僕は抱いていた片膝を24式機動装甲体の脚上部、太ももの辺りにに押し込み、機体を岩場の影を利用しながら今度は歩きで前進させる。 「ドローンの状態も良好だね」 ≪うん♪異状なく上空を待ってるよ≫  上空800m、北と南の二方向から地表を舐めるように索敵をさせているドローンは、バッテリーの残量も十分に、小鳥の様に元気よく、貴重な通信や情報を機体と司令部に伝達している。 「えっと、予測だと二つ隣の町に駐屯している奴らの前衛部隊が来るはずなんだけど」  索敵モードを全開にして麓の国道11号線跡を丹念に捜索する。本部である丸亀城要塞からの火急の知らせを受けて、早急に奴らが駆け付けるならば、寸断された高速道路跡を利用するより効率がいい筈だ 。  ちなみに今回は、シネシネ団の四国方面部が相手ではない。     
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