国民爆弾。

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「こちら021!021!!各機は相互に連携を取りつつ対処せよ! 」 第22師団・特別集成第4中隊。俗称〝新戸部中隊〟の指揮所である〝中隊本管〟からのレーザー通信は、先程からガ鳴る様に同じ言葉しか吐き出していない。 「こちらは214! おい!対処って具体的にはなんだ!送れ!」 「うわ、うわぁ!こちら213!213!! 2…226に民間人が飛び込んだぞ!」  ズバァーン!!  林衛が操作する僕の疑似モニターには、人間がアブラムシの大群みたいに七草のナズナに連なる様にして〝226〟に次々と集(たか)り、それを振り振り払おうとしてもがく機体もろとも一斉に炸裂して弾け飛んだ姿が映った。 「021!021!! 指示をくれ!的確な指示を…今す……がはァ?」  本管にどうしたらいいのか必死に問い合わせていた〝227〟の背部に、まるで棒倒しの棒の先で守る〝サル〟を抱き込むようにして、24式機動装甲体の頭部に飛び乗った女性は、ガムテープできつく腹に巻かれた爆弾を破裂させ、乗員ごとコクピットを吹き飛ばした。 「021!撃っていいのかいけないのか!ハッキリしてくれ!」 「逃げても逃げても奴らが湧いてくる!」 「や、屋根からも!屋根からもふって来るぞ!」     
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