国民爆弾。

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 て、僕がわざとらしく違うモニターに目を移しながらリンネに聞く。 ≪はい了解♪ 敵進出速度、平均毎時8km。幾つかの集団に別れ前進中。便宜上これをA~Nに分類表示≫  ピィーー。  小さな電子音と共に、リンネが正面のモニター上にドローンから送信されたデータから、上空から俯瞰した敵勢力と国道十一号線と周囲の状況を簡易的に視覚化され映し出した。 「さて、どれからやろうか♪」 ≪慌てないでよ友希。選り取り見取りだからってさ♪ …標的F~I。橋架部を通過中。これをまず叩こうよ≫ 「了解。じゃ橋を落とそう。で、使用する武器はっと」 ≪22式ATM(対戦車ミサイル)を全部繋ぎ目に撃ち込んで、そこをさらに対人ロケット弾を山なりに撃ち込んでみたらどうかな?≫ 「採用」  お互いモニター越しに笑みを浮かべて見つめ合い、早速二人で準備に取り掛かる。  そしてキッカリ2秒後、セッティングを終えた火器の第一弾が打ち出された。  それは、悲しくも盛大な大掃除の始まりだった。  バガンッ! ズガンッ! ≪諸元通り〝高柳橋(たかやなぎばし)〟の繋ぎ目にATM二発着弾。続けて対人ロケット着弾まで、3・2・1 今♪≫  グワッ!グワッ!グワッ!グワッ!     
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