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「どうしても昔から女の子より男の子のほうが魅力的に感じて……広夢くんと同じなんだよね」
「――!」
心に鋭い衝撃が駆けた。崇之は最初からわかっていた。広夢の内面に眠る熱が、いよいよ全細胞に着火する。
「広夢くん。自分の素直に受け止めてごらん? 楽になれるよ」
「楽にって……」
それが出来ないから悶々としているというのに。広夢は反論する言葉を飲み込んで、唇を引き締めた。
「いいね、その迷いや葛藤。俺の気持ちや欲望を揺さ振ってくる。初めて出会った時から、君はとてもいい」
「崇之さん、僕は……!」
違うと心の足掻きを見せた。
「いいよ、決めるのは広夢くんだ。素直になるなら、俺が楽になれる方法を教えてあげる」
「……?」
崇之を凝視した。すると驚くような事を要求された。
「脱いでくれる? シャツだけでいいから」
「えっ?」
脱いでどうするのか。大きな不安が押し寄せた。葛藤する心に崇之は最後の揺さぶりをかけて、広夢自らの決断へと進ませてくる。
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