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「脱いでごらん。俺はありのままの広夢くんを描くって決めてる。きっと楽になれる……だから、俺を信じてよ。受け止めてあげるから」
「っ……」
楽になれる。受け止めてくれる。甘い誘惑が広夢を蝕んだ。小刻みに震える手が濡れたシャツのボタンへと触れた。その動作を崇之は、じっと見つめていた。
ひとつ、ふたつと、外されていくボタンから露になるのは陶器のように白い肌だ。全てのボタンを外し終えた広夢はシャツを肩から足元へと流し落とした。
「ああ、肌が透けるように綺麗だ」
感動のため息を吐いた崇之が距離を縮めた。
「そ、そんな……あっ――ん!」
自分でも聞いた事がないくらいの甘い声が零れた。片手を伸ばした崇之が、広夢の細い首筋や肩に触れてきたのだ。
「肌触りもいいね」
もう片方の手も上体を這った。スケッチブックが乾いた音を立てて落下した。
崇之の両手が肌の肌理をひとつひとつ確かめるように撫で動いていく。肩から鎖骨、二の腕へと滑るように移動していった。
「っあ、崇之さん、そんなに、触られたらっ」
何という触り方だろうか。官能的な手付きだった。まだ性に未熟な広夢は、唇をワナワナとさせて腰を捩った。
「こうやって他人に触れられるのは初めて?」
「っん……は、はい……あっ!」
恥じらいを見せながら頷くと、崇之が広夢の小さな顎を掴んだ。息が触れ合う距離で視線が絡むと――。
「た、崇之さんっ、んぅ……っ!」
吐息は崇之の咥内へと飲み込まれた。
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