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「た、崇之さん?」
後ろを向いたままの崇之に声を向ける。鼓動が頭にまで響く。これから何をされるのだろう。不安と期待が混在していた。
「広夢くん、おいで……」
振り返った崇之が両腕を大きく開いた。
「っ……」
広夢は暗示にかかったように足を踏み出した。
「いい子だ」
「崇之さん、待っ……はっぅ、んぅ――っ」
抱き込まれて顎を捕らわれた。声は崇之の唇で塞がれた。昨日と同じ、濃厚な口付けがすぐにスタートした。くちゃくちゃと唾液が絡む大人の行為。こんな触れ合い、同級生達は知っているのだろうか。否、きっと知らない。広夢は急に自分が大人になった気がしていた。暫く続いた口付けは、唾が弾ける水音と共に一度解かれた。
「んっ……はっ、崇之さん」
蕩けた瞼で崇之を見上げる。
「君の色んな表情を描きたい。全部、感じたい」
「はあ……ぅ!」
崇之の掌がシャツ越しに這う。また脱ぐのかもしれない。緊張が生まれ、広夢は身体を強張らせた。しかしどうも昨日とは違う動きだ。上半身を弄っていた崇之の掌が、脇腹を撫でたあと、ベルトに手をかけてきたのだ。
「っ、崇之さん、何を⁉」
そこはと、意図を知った広夢は息を呑んだ。
「言ったよね? 今からもっと気持ちいい事をするって」
「――っ!」
金具が解かれた。学生ズボンが細く白い脚を滑って足元に落ちた。濃紺無地のボクサーブリーフの下半身が露となった。
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