一、将棋で遊ぼ

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「音を立てたり崩してしまうと、相手の番になってしまうのだが、どうやっても山から取れないと全員が同意した場合、もう一度山を作り直す」 柴崎がもう一度山を作ると、最初よりも平らな山ができる。 重なっているものもあり、同時に取ることもできそうだ。 俺と柴崎は、冷や汗をかきながら、ゲームを進めていく。 そして、すべての駒を取り切った。 「ちぇー結局センパイ方音鳴らさないとか、取れ高ないっしょー」 「なぁ、柴崎、カプチーノ。こいつ一回シバいたほうがいいんじゃないか?」 「あーやめたほうがいいと思うぜ?」 カプチーノの言葉に俺が首をかしげ、平塚をみると、 「おっとまたSなセンパイですかぁ? いいですよ! どんな言葉攻めでも興奮して見せます!」 「うざ」 「はぁん! なんか今の冷え切った本気の一言が私の心をキュンキュンさせる! これが恋!」 あ、本気でうざくなってきた。 「んー崩し将棋、詰まんなかったですね」 「楓ちゃん、これ普通の将棋じゃないから、詰みとか基本ないよ?」 門脇の一言に本気で答える平塚。 しかし、こいつは気づいているのだろうか。 「今のは面白くねぇなって意味だぞ、ぺったん湖」 「あひぇ?」 なにやら本当に間違えて言ったようで、平塚は徐々に顔を真っ赤にしていった。 「ぎゃああああああ! 死にてぇぇぇ! おらもう生きてけねぇよぉぉぉ!」 叫びながら、机にうつ伏せになる。 あーこの子本当にばかなんだなぁ。 しかし、なんだ。 崩し将棋の描写、少なすぎやしないか? 何かの伏線?
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