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「音を立てたり崩してしまうと、相手の番になってしまうのだが、どうやっても山から取れないと全員が同意した場合、もう一度山を作り直す」
柴崎がもう一度山を作ると、最初よりも平らな山ができる。
重なっているものもあり、同時に取ることもできそうだ。
俺と柴崎は、冷や汗をかきながら、ゲームを進めていく。
そして、すべての駒を取り切った。
「ちぇー結局センパイ方音鳴らさないとか、取れ高ないっしょー」
「なぁ、柴崎、カプチーノ。こいつ一回シバいたほうがいいんじゃないか?」
「あーやめたほうがいいと思うぜ?」
カプチーノの言葉に俺が首をかしげ、平塚をみると、
「おっとまたSなセンパイですかぁ? いいですよ! どんな言葉攻めでも興奮して見せます!」
「うざ」
「はぁん! なんか今の冷え切った本気の一言が私の心をキュンキュンさせる! これが恋!」
あ、本気でうざくなってきた。
「んー崩し将棋、詰まんなかったですね」
「楓ちゃん、これ普通の将棋じゃないから、詰みとか基本ないよ?」
門脇の一言に本気で答える平塚。
しかし、こいつは気づいているのだろうか。
「今のは面白くねぇなって意味だぞ、ぺったん湖」
「あひぇ?」
なにやら本当に間違えて言ったようで、平塚は徐々に顔を真っ赤にしていった。
「ぎゃああああああ! 死にてぇぇぇ! おらもう生きてけねぇよぉぉぉ!」
叫びながら、机にうつ伏せになる。
あーこの子本当にばかなんだなぁ。
しかし、なんだ。
崩し将棋の描写、少なすぎやしないか? 何かの伏線?
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