一、将棋で遊ぼ

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「まずいな、このままでは読者が退屈で読まなくなるぞ」 「だから、私に喋らせればいいんですって」  勝手に一人でしゃべってろ。  しかし、思った以上につまらなかったな、崩し将棋。 「あ、それでは、この将棋を使ってドミノしませんか?」  門脇が思いついたように言う。  あーあー。とうとう違う遊び方を見出し始めたよ。でも、確かによくやるよなぁ。将棋の駒でドミノ。立ちやすいのがいい。ものによっちゃあ、斜めとかにもできるからな。 「おい、お前ら。俺と片岡が崩し将棋をしていただろう! なぜ水を差す!」  なぜ半ギレしている、リーマン。 「高度な集中力と注意力を使うこの遊びを、なぜやらないのだ!」 「まぁ、今回は遊びというより、私たちの説明をするためなので遊ばなくてもいいのではと私思うの思うだけだから睨まないで?」  話している最中に柴崎に睨まれて語尾が弱まる平塚。  まぁ、平塚が言っていることは大体正しいのではなかろうか。  なんかこう……どうでもいいことをやらせて「あ、こいつってこんな感じなのね」っていうキャラの掴みを読者に見せるわけだ。  ……見せれてるか? 少なくとも平塚は大丈夫かもしれんが、ほかはどうだかなぁ…… 「よし、明日何やるか」 「おい幸司! 今日はまだ終わってないぞ!」 「ですから! 駒でドミノを!」 「いいや! 崩し将棋の続きをする!」 「あたしゃどっちでもええがや」  ふむ、平塚の異質さがにじみ出た一言になったな。  しかし、どうしたものか。  どちらかやらないと、引っ込まなそうだしなぁ。
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