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柴崎は、その場から大きく振りかぶってボールを投げる。
俺はそれをキャッチし、そのままカプチーノにパス。
「おっし! 死ねぇぇぇぇぇ!!!」
勢いと共に放たれたボールは、花蓮と同等のスピードと思うほどの速さで門脇に飛んでいく。
門脇は、ボールをそのままはじくようにして平塚へ送る。
平塚はボールをジャンプキャッチすると、叩きつけるように俺の脚を狙ってくる。
「クソっ!」
俺はジャンプでよけつつ、腕を伸ばしてバウンドしたボールを取る。
「あっはは! やっぱり楽しいねぇ! こうやって遊ぶの!」
花蓮が笑う。
「いやぁ、花蓮パイセンパネェ。マジ卍」
それどういう意味だよ。
「門脇のパスも大したものだな」
「あぁ、俺様のボールをあの距離で的確にパスにするなんて……自信なくすぞ!」
「あ、ご、ごめんなさい! つい熱くなって」
「オールラウンダーの花蓮。来たボールをすべてパスに変える門脇。状況にすぐさま適応する平塚……勝てる気がしない」
「あっはは! でもまだ終わってないよ?」
花蓮のその一言で、俺たちに緊張感が戻る。
「いや、花蓮パイセン。終わりっすよ?」
だが、平塚の言葉でまた緊張感が消え去る。
どういうわけかと平塚を見ると、俺の手元を指さす。
「ボールもって十秒」
「……あ」
「何をやっている幸司ィィィィィィ!!」
「ざけんじゃねぇぞ幸司ィィィィィィィ!!」
……俺、なんで十秒で外野って言ったんだろう。普通、相手にボールを渡すとかだろ。
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