ニ、ボールで遊ぼ

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「仕切り直しだな」  俺は、ボールを置いてつぶやいた。 「チーム分けはどうする?」 「幸司。俺様たちは負けたんだぞ」 「そうだぞ幸司。俺たちは負けたんだ」  知ってるよ。だから何だよ。 「きっと、読者もあのチート軍団を倒してほしいと望んでいるはずだ」 「意義あり。違うチームを望んでいるかもしれん」 「メタ禁止です!」  バァーン! と効果音がなりそうな感じで、門脇が俺たちの間に入ってくる。 「まぁまぁ。男子諸君はあんな負け方で悔しいよねぇ。もっかいやろっか」  花蓮の仲裁により、俺たちがまたチームを組むことが決定した。  相手の外野は平塚のままだが、こちらは今度は俺が外野に入る。 「よし。じゃんけんだ。行ってこい、カプチーノ」 「おう! 俺様に任せろ!」 「よかろう……うぬと我の力の差を見せよう……」  結果、カプチーノがグーで平塚がチョキ。 「ちくしょぉぉ! 教育委員会に訴えてやる!」  ちいせぇな、あいつの心。  ……あれ? あいつ外野だよな? なんでじゃんけんしてんだ? 「やりたかったんですよ! じゃんけんを! 悪いか!」 「おい! 勝手に俺の語りパートに反応すんな!」  遠くから声を張り上げて言う平塚に、俺も大声を出して返した。 「行くぞ、リーマン」 「あぁ。俺たちのチームワークで、奴らの力量を超えるんだ」  柴崎がボールを持ち、振りかぶる。  そのまま放たれたボールは門脇に向かっていく。 「っ!」  だが、先ほどと同じように、勢いを殺さずそのままパスへ変えて、花蓮の元へ。  そして、それを見越していたかのように、花蓮は投球のポーズをとり、キャッチと同時に投げる。  俺や柴崎は、あのボールを投げられてしまうと、弾道を予測して避けるしかないのだが…… 「づぉぉ!!」  唯一、カプチーノだけはキャッチできるのだ。  カプチーノは、サッカーのキーパーのようなポーズでボールをキャッチしていた。 「さすがカプチーノ。反撃するぞ!」 「おうさ!」  カプチーノは柴崎にパスし、柴崎の後ろに回る。 「いけぇぇ!!」  柴崎が投球。  柴崎の投球を見越していた門脇は、一瞬のスキができた。
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