ニ、ボールで遊ぼ

9/11
前へ
/31ページ
次へ
「甘い!」  カプチーノのボールをキャッチして、そのまま投球する。  そのボールは、カプチーノと柴崎の間を勢いよく通っていき、その奥にいる外野、門脇へと向かう。 「はい!」  そして、門脇はそのまま、毎度のようにはじくようにしてそのままカプチーノ側の外野へパス。 「死にさらせぇ!」  そこにいる平塚が、同じく弾くようにしてカプチーノへボールを向ける。 「うるせぇ!」  背後から向かってきたボールを、回転するようにして肘打ちをかます。 「あの馬鹿!」  下から入ったようで、ボールは遠くへと浮遊していく。  俺はダッシュでボールを追う。 「おいらも行くぜよ! 早いもん勝ちやっほぅ!」  後ろからは平塚が追ってくる。  そして、お互いボールの落ちるところまでやってきた。 「へっ! ボールはあたしのもんでさぁ!」 「馬鹿が。身長差を考えろ!」  俺は腕を伸ばしながらボールに合わせて飛ぶ、と同時に。 「どせい」  横から勢いよく押された。 「なっ!」 「外野同士の戦いはこういうことなのですヨ、セーンパイ」  俺を押しのけてボールを取った平塚は、俺を見下ろすようにしてそういった。  よし。後でシバく。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加