一、将棋で遊ぼ

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「おう、カプチーノ、リーマン。遅いぞ」 「わりぃわりぃ。進路指導されててよ」 「まったく。俺たちの何がいけなかったというのか」 おそらく、成績について言われてたんだろうな。深くは聞かないで置こう。 「か、片岡さん」 隣から、ちょんちょんと肩を少しつつかれて、視線を少し下げてみると、門脇が少し困ったような表情をしていた。 どうしたのかと思っていると、門脇は口を開いた。 「五人なので、結局一人あぶれますよ?」 ……あ。 しまった。結局五人だから、一人あぶれる。 くそ! 何でこいつらは二人で来てしまったんだ! というか、なぜ俺たちは五人なんだ! 「なんで来たカプチーノ!」 「なんで俺様がそんなこと言われるんだよ!」 「てめえは一人でカプチーノでも飲んでろよ!」 「共食いじゃねぇか! あれ? この場合共飲み?」  知らん。 「しょうがない、俺に考えがある」 俺とカプチーノが言い争っていると、柴崎が眼鏡をくいっと上げながら将棋盤をテーブルの上に置いた。そして、中央にコマの入った箱を逆さに置き、そのまま持ち上げる。 するとそこには、コマの山ができていた。 ってか、なんでこいつ将棋しようって話知っているの? 怖っ。 「崩し将棋というものを知っているか?」 「あ、はい知ってます始めましょうか」  ドヤ顔でセッティングした柴崎を一刀両断して、門脇は始めようとする。
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