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「おう、カプチーノ、リーマン。遅いぞ」
「わりぃわりぃ。進路指導されててよ」
「まったく。俺たちの何がいけなかったというのか」
おそらく、成績について言われてたんだろうな。深くは聞かないで置こう。
「か、片岡さん」
隣から、ちょんちょんと肩を少しつつかれて、視線を少し下げてみると、門脇が少し困ったような表情をしていた。
どうしたのかと思っていると、門脇は口を開いた。
「五人なので、結局一人あぶれますよ?」
……あ。
しまった。結局五人だから、一人あぶれる。
くそ! 何でこいつらは二人で来てしまったんだ! というか、なぜ俺たちは五人なんだ!
「なんで来たカプチーノ!」
「なんで俺様がそんなこと言われるんだよ!」
「てめえは一人でカプチーノでも飲んでろよ!」
「共食いじゃねぇか! あれ? この場合共飲み?」
知らん。
「しょうがない、俺に考えがある」
俺とカプチーノが言い争っていると、柴崎が眼鏡をくいっと上げながら将棋盤をテーブルの上に置いた。そして、中央にコマの入った箱を逆さに置き、そのまま持ち上げる。
するとそこには、コマの山ができていた。
ってか、なんでこいつ将棋しようって話知っているの? 怖っ。
「崩し将棋というものを知っているか?」
「あ、はい知ってます始めましょうか」
ドヤ顔でセッティングした柴崎を一刀両断して、門脇は始めようとする。
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