一、将棋で遊ぼ

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俺と柴崎は、向かい合って座っており、お互いを睨みあう。 「それで、一応これはチュートリアルだが、暇部のルールを忘れてないよな?」 俺がそういうと、柴崎は眼鏡をくいって上げながら不敵に笑う。 「ふっ。俺たちが知っているだけで、初めての人しかいない。ならば、一応説明は必要だろう」 「この部活ってなにかルールあったか?」  俺と柴崎のやり取りにカプチーノが呟く。  いや、確かお前が発端なんだけどな? 「説明しよう! ルールは簡単です! 勝者は敗者に三つのうち一つを選んで従わせることができるのです!」 平塚は、どこからか取り出したマイクを手に、手の甲を見せるようにして、三本の指を立てた。 「一つ! 相手にお昼を奢らせる! これは相手の経済状況を慮ることを推奨する!」 そう言って、人差し指を折る。 「二つ! 勝者の願いをかなえる! これはできることとできないことがあるので、敗者と用相談!」 なぜか、中指を飛ばして薬指を折る。 おいおい。これが映像化しているものだったらモザイクかけなきゃいけないぞ! あまり挑発的なのは先輩どうかとおもう! 「三つ!」 そんな俺の心の声は無視して、三つ目の発表を行う。 「おそらく、これが一番素敵な特権! 勝利日の翌日から七日間以内のどこか一日、絶対服従日にできる! これもできることだけをさせるため敗者のことを思っての行動をしなくてはならない!」 言い切った平塚は、なぜか中指を折らずに誇らしげな顔をしている。 その隣で、門脇がぱちぱちと拍手を送っていた。 いや、門脇だけではなく、カプチーノまで拍手していた。
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