一、将棋で遊ぼ

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「あー補足させてもらうが、勝利ポイントを消費するからな」 俺が補足説明に入ると、平塚は一瞬で真顔になり、俺を見た。 え? ちょっと怖いんだけど? 俺がビビッて口を閉ざしてしまうと、平塚は中指を俺に向けて説明を始める。 「勝利ポイント、通称VPは勝利すればもらえるポイントで、一勝で一ポイントもらえます! 一つ目を叶えるのに三ポイント、二つ目は八ポイント、三つ目はなんと十五ポイント必要です! なお、ポイントは一週間でリセットされます」 まあ、そういうわけで、簡単に貯まらないし、土日に遊んだりしなければ、実質学校のある五日間しか溜められない。 まあ、例外があるが、それはまた今度にしよう。 「とまあ、こんな感じですね」 平塚が、室内の角のほうにある籠めがけてマイクを投げ入れて、着席する。 「よし、始めるか」 そう言って柴崎は、山から少し離れたところに落ちている桂馬に人差し指を置いて、静かに自分のところに運ぶ。 「こうやって、一つの指を使って、どんどんコマをとっていくゲームだ」 俺が説明すると、柴崎は俺の番を催促するように、あごで指す。 そして、俺もゆっくり山の外側から取っていく。 そうして徐々に山の周りは消えて行き、山そのものに触れなくてはならないときがきた。 「ここで、ローカルルールを発動するとしよう」 そう言って、柴崎は山をもう一度箱に入れなおした。
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