相容れない二人

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魔法を解除したトーキは、エイトに手を貸して起こした。しかし、五人の背後にはエイトの兄のイチヤが立っていた。 「エイトが世話になったようだな?そこにいるのが異国の姫の一人…火属性のエレメント遣いか。周りの付き人が邪魔だな、一瞬で焼き付くすか。」 「あいつ、こっちに自分の弟がいるってのに攻撃仕掛けて来やがった。トーキ、マユラを任せる。トオヤ、俺と一緒に奴に対抗するぞ。」 「分かったよ、ラン先輩。」 「王国にいた時から奴は気に入らない存在だった。やるならとことんやってやるぜ!」 トオヤとランの火の魔法がイチヤの闇の火の魔法を打ち消した。しかし、まだイチヤの攻撃は終わっていない。予想通りの頭の中のシナリオにイチヤは眼鏡をあげてニヤリと余裕ある笑みを浮かべた。 「その余裕が気に入らねぇんだよ!」 「ランちゃん、イチヤの挑発にのっちゃダメだ!地に眠る植物達ランちゃんを守ってくれるかな?」 「危ない!私に魔法が使えるなら今奇跡を起こして二人を守って!!フレアソード、ルアージュ!」 「マユラさん!?」 マユラの火のエレメントを宿した宝珠が光輝きマユラの声に応え、イチヤとランの攻撃を止めた。 「マユラ、お前…それ、紅蓮の炎の魔法具じゃねぇか?俺と奴の攻撃を止めるなんてやってくれるぜ。」 「相討ちになって二人が傷付くより相殺して無傷の方が最良だと思って、武具がそれに応えた結果です。」 「魔法を使えない異国の姫が奇跡を起こすなんて、そんな馬鹿な事が…まぁいい。データーは取れた。エイト、いつまで呆けているつもりだ?帰るぞ。ケルベロスも連れて来るんだ。」 「イチヤ兄さん…ごめんなさい。」 イチヤとエイトはケルベロスを連れて闇空間に消えていった。そして、安心したのか街の人達は外に出てきた。 「あれ、何だろう?」 「コングラッチュレーション!良く頑張りましたね。予測がいの事態でしたが、無事に試練もクリアしたみたいでベリーベリーハッピーでぇす。この調子で街の人達の困ったを片付けていって下さい。…って書いてますね。」 「王様は、神出鬼没だから今更突っ込む気にならねぇよ。さっさと片付けて城に帰ろうぜ。」 「ランちゃん、城に帰ったらマユラちゃんが今日初めて魔法使えたお祝いパーティーしようよ?トッキーも、トオヤんも賛成だよね。」 「もちろん賛成(だよ)です。」
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