温泉宿

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幹事の八面六臂の活躍もあり、宴会はおおいに盛り上がった。 「宴もたけなわではございますが、この場は一旦お開きとさせていただいて、この後は部屋で飲み続けるも良し、カラオケボックスで歌うも良し、各自でお楽しみ下さい。明日の朝食は7時からで、バスの出発は10時です。」 すっかり赤ら顔の伊集院が宴会を締めくくった。 「みんなお疲れさん。お陰で盛り上がったな、ほんとご苦労さまでした」 幹事たち5人は幹事部屋に集まり、伊集院が幹事の労をねぎらっていた。 「他に何かあるかな?」 「明日の移動中のビールやおつまみ類を買い足しておかないといけないですね」 沙織が伊集院に提案した。 「確かに。じゃあ、翔太、レンタカーもあることだし買い出しに行ってくれ。ビールを2ケース、お茶とかソフトドリンクも50本くらい、あとはつまみ類も適当に。千尋ちゃんも一緒に行ってやってくれるか」 翔太と千尋は顔を見合わせて互いにおじきをした。 「今夜はもう幹事として何もすることも無いし、みんな頑張ったし、買い出し部隊もゆっくりしてきてもいいぞ。ただし翔太、雪も降り始めたようだし、あまり調子に乗ってスピードを出すんじゃないぞ」 福島はレンタカーの鍵を翔太に渡しながら、沙織と視線を合わせピクリと眉を上げた。
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