買い出し部隊

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買い出し部隊

「千尋さん、ボク、持ちます、持ちますよ」 「いいわよ、これくらい私が持つわ」 翔太と千尋は宿から車で10分ほどのスーパーで伊集院から頼まれたものを買い込み、車に乗り込んだ。 「翔太くん、てっきり運転とか苦手なのかと思ってたけど、ちゃんと運転できるんだね」 助手席の千尋はカーナビの目的地を宿に設定しながら話した。 「大学の友達とかと今でもスキーに行ったりしますから、それなりに雪道の運転は経験があります。」 「へぇーー、そうなんだ。宿から来る途中に、今日行った『雪の科学館』を通ってたんだ」 翔太はてっきり千尋が自分のことに興味を持ってくれたのかと期待しただけに、雪の科学館と宿との位置関係に軽い嫉妬を感じた。 「そう言えば今夜『雪の科学館』で屋外での雪の観察会が開催されるって案内が貼ってあったよね。翔太くん、見た?」 「そう言えば、書いてありましたね。確か今晩の9時から10時までって」 車内の時計は9時ちょうどを示していた。 「千尋さん、行ってみましょうか」 「伊集院さんもゆっくりしてきても良いって言ってたしね」 千尋はカーナビの目的地の設定を宿から雪の科学館へ変更した。
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