すれ違う想い、走りだす想い

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 自分から行きたいと言っておきながら、今更後悔の渦が止まらない。  司さんには桃華先輩という彼女がいて、そんな人と車の中で二人っきりという現状。  誰かに見られたらどうする?  焦る私の気持ちなんて感じないように、車は都会を颯爽と走り抜けあっという間に海沿いに出た。  夏真っ盛りというだけあって、たくさんの人が楽しそうに遊ぶ姿が見える、砂浜を横目に車はどんどん進む。  しばらく砂浜の横を走っていたけれど、だんだん砂浜が見えなくなって、防波堤やテトラポットばかりの見える静かな場所まで進んでいた。
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