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お誕生日
流行りの音楽と、クラシックが交互に流れる、不思議な空間。
ちゃぷんと水の跳ねる音がして、重なり合っていた唇が、やっと離れた。
そこでやっと、お互いにすぅっと、深呼吸のように息をする。
「今日の愛美も、最高に可愛かった。さすが俺の彼女」
「うん」
ホテルの広い広い湯船につかり、後ろから私を抱きしめる健は、大きな手で私の髪をなでる。
子供をあやすように、そっと優しく、何度もなでてくれる。
そんなことが私は素直に嬉しくて、ちょっと恥ずかしくて、小さく頷いたっきり、健に体を預けて微笑んだ。
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