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普段の自分とは縁のないきらびやかな世界。
回りを見渡せば、高級なワインを片手に談笑する人々。笑っていてもどこか品が漂う、雰囲気も高級な人達。それもアルファばっかり。自分はなんでこんな場所にいるのかと俺はため息をついた。
事の発端は数日前の出来事だ。
大学生の奈月はここ何日間かレポートに追われ、やっと提出を果たしたところであった。徹夜のせいで溜まった疲労の濃さに、学食の机にへたりこんでいた俺に声がかかった。
「奈月!お疲れさまー。やっとレポート終わったの?なんかやつれてんね。」
「涼か。なんか久しぶりだな。死ぬほど眠い。あー疲れた。肩こった。酒のみたい。」
「ははっ、言うことがおじさんだなー」
「うるせぇよ。そんで?お前どしたの?学食来るの珍しいじゃん」
「そうそう!奈月に用事があってさ」
そう言って涼は俺の前の椅子をがたっと引いて座った。そのままこちらに身を乗り出してくる。
涼は大学で出来た友達だ。ゆるーい感じが俺と馬があって、月に一度のペースで一緒に呑みに行く呑み仲間だ。
そういや最近行ってなかったからその誘いかな。
「奈月さ、パーティーとか興味ない?」
予想外だった。
「…は?」
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