2414人が本棚に入れています
本棚に追加
「いや、ね、俺たまに家の都合でこういうの出てるんだよ。」
「…知ってるけど。なんで急に俺なんだよ」
「今回のやつは誰か一人誘えるんだよ。だから。」
「だから、じゃねーよ。女でも誘えばいいじゃん。いつもそうしてんだろ?」
何を隠そう、こいつは女たらしだ。それこそ取っ替え引っ替え。会社社長の坊っちゃんで何よりもこいつはアルファ。突出して整った容姿と回りとは格が違う頭脳。元々の素材が違いすぎる。
アルファとは人の上にたつためにいるような存在。だからアルファがどれだけ取り巻きをつれていてもそういうものなんだな、と思ってしまう。
こいつにも男女関係なく取り巻きがわんさかいる。だから今回もその中から誘えばいいのに、なんで俺なんだよ。
「俺さ、番を真剣に見つけようと思ってるんだー。」
突然の衝撃発言に思わず目を見開いて涼を凝視してしまった。女たらしのこいつが番を?一瞬冗談かと思ったが涼の顔は真剣だ。どうやらほんとに本気らしい。まあ、女たらしを卒業するんならいいことだ。この成長を泣いて喜んでやるべきかな、とか考えながら
「なんでまた突然?」
と、とりあえず聞いてみる。
最初のコメントを投稿しよう!