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そろそろ動き出さなければいけない刻だ。
けれど、今日もなんとなく動き出す気になれない私だ。
そんな私はぼんやりと窓の外へと目を向けた。
窓の外では軒先に吊るされた赤提灯がぼんやりとした灯りを放ちながら弱い風に踊っていた。
ここは鳥籠の中だと人は言うけれど、私にとっては都だ。
「今夜もサボろうかな~・・・」
私はそんなことをふと呟いて小さな溜め息を意味もなく漏らしていた。
別に借金があるわけでもない私は毎晩客と共に夜を明かさなくてもいい。
そんな私は気乗りがしなければずる休みをしてしまう。
もちろん、そのずる休みがバレると嫌味は言われてしまうけれどその度に私は同じ言葉を口にしている。
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