出会い

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秋になった頃だろうか。 パパと仲良くね 部屋の隅にあったメモ用紙にたった8文字を書き残し、着替えも持たず体1つで家を出た。 家の外には、彼氏が待っていた。 立ち姿は、私が初めて彼を見た時と一緒だ。 春の風がまだ冷たい午後、私達は出会ってしまった。 彼は、10代とは思えないほど体がしっかりしていて、地にしっかり両足がついていた。 今になって思えば、ペニスもかなり大人だった。 かわいいね。遊ぼうよ。 そう声をかけられ、私達は遊ぶようになり付き合った。 彼は、私の先輩と付き合っていたが、別れて私を選んでくれたのだ。 回りからは、私が先輩の彼氏を取った と言われたが、そんなの気にしなかった。 酒を飲んでは、笑いあってセックスをして、彼の家に入り浸っていた。 幼い頃から体が弱く 幼稚園の発表会の前や、卒園式の当日や、よくわからない母親の友達の家に遊びに行ったりしては、よく吐いていた。 個人病院を転々としては薬を出されたが、一向に治らなかったので、大きな病院に行って、自家中毒と診断された。 小学校低学年まで続いてたと思う。高学年になり、吐く事はなくなった。 体が弱い私が、たった8文字の文字を残して家を出たのだ。 家を出る時、母親をチラっと見た。 母親は、テレビを見ていた。 いつもと変わらない日常だったはずだ。 私は、全てを捨てたのだ。 誰にも行き先を言わないで、この小さな町を出たのだ。
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