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いつもと同じベッドの上で目を覚ました。
時刻は7時5分前。
概ねいつも通りの時間だ。
まだ眠りたい気持ちを押さえ付け、
物理的に抗議する、重い体に鞭を打ち起き上がる。
体を包む温もりに名残惜しくも別れを告げ、
ベッドから抜け出る。
カーテンを開くと、空は鈍色の雲に覆われていた。
今日は曇りか。
そう呟くと、余計に気分が重くなった。
とりあえず学校には行かなくてはならない。
制服に着替え、顔を洗ってリビングへ向かう。
リビングには母の用意してくれた朝食が並び、
良い匂いが寝起きの頭を更に覚醒させる。
腹の虫もその匂いに釣られて声を上げる。
朝食を食べながらテレビを見やる。
画面の向こうのお姉さんが午後からは晴れると告げている。
それを聞いて、一足先に心に晴れ間が差した。
7時半過ぎ。
行ってきます。
と母に声をかけて家を出る。
何事もなく通学路を歩く。
黒猫に横切られる事も、
パンを咥えた異性とぶつかる事も、
バッと通ったトラックに轢かれる事もなく。
本当に何事もなく学校に着いた。
そう簡単に、神様は学校を休ませてはくれないようだ。
靴を履き替え、自分のクラスへ向かう。
部屋に入り、クラスメイトに挨拶しながら席につく。
友人たちが集まってきて雑談が始まる。
昨日のテレビの話や、今日の授業の話。
予鈴が鳴るまで談笑して、各々の席へと戻っていく。
担任教師が入ってきてホームルームが始まる。
挨拶もそこそこに今日の予定などを述べていく。
それを話半分に聞き流す。
そうこうしているうちにホームルームは終わり、
1限目の予鈴が、その日の学校生活の始まりを告げる。
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