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それから3時間、昼時。
空には未だ鈍色の雲が居座り、太陽を隠し続けている。
まあ、まだ昼になったばかりだ。
そう思いながらも、心の中に不安が募る。
鐘が鳴り、授業が終わる。
昼食の時間だ。
弁当を机に広げると、友人たちが寄ってくる。
飛び交う雑談。入れ替わる弁当のおかず。
どこからともなく聞こえる笑い声。
昼食時はいつも賑やかだ。
予鈴が、午後の授業へと生徒を誘う。
空腹を満たした事による満足感。
そこから来る眠気と必死に戦いながら、授業を受ける。
時折意識を手放しかけては、抱き留める。
そうしてどれほど経っただろう。
授業の終わりの鐘が鳴り、眠気が途端に踵を返して去っていく。
眠気とは殆迷惑なものだ。
そう思いながら、ノートに記された眠気との戦闘の証である、解読不能な古代文字を消した。
最後の授業。
先程の授業で襲ってきた眠気はどこへやら。
戻って来られても迷惑なので捜索願いは出さないが。
そのまま授業は終わり、帰りのホームルーム。
担任教師の話は聞き流しながら、今にも泣き出しそうな空を眺める。
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