まずはお触りで

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「だから、僕と付き合ってください。もちろんセックス込みの関係で」 「オブラートに包めバカ」  またも叩かれるが、否定されなかったことで蒼の気持ちはいっぱいだった。  今は頑なでも、こうなってくれれば落とす自信がある。長年の経験から言える。 「あの、よろしくお願いします」 「あーわかったわかった。よろしく」  ぶっきらぼうな物言いも照れ臭さからくるものだとわかるから許せた。  そんなところも堪らなく愛しい。 「ローションとゴムも用意しとかなくちゃ」  呆れた眼差しを送る健太を気にもとめず、蒼は今後のことに思いを馳せた。 「つか、俺が女役か?」  健太の不満げなつぶやきも届かなかった。
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