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緩急をつけて揉んでやると、嫌がりながらもそこは素直に反応する。健太は現実を見たくないのか目を逸らし、無駄な抵抗を続けていた。
「僕もなんだか変な気分なんだ。抜きっこしよ」
「ふざけんな」
「してくれないの?」
疑問符を付け確認するが添えた手は離さない。ここで離したら健太がどう出るがわかりきっているからだ。
健太に本気で殴られたらただではすまない。
――ここまで来たら押し通さないとね。
「勝手にやるからいいもん」
急所を握ったまま、片手で器用にベルトを外すと健太の顔が引き攣った。
「まじでやめっ」
「きもちよくないの? 僕下手?」
「悪くないから、困るんだよっ。まずいことになるから、やめろ」
悪くない、と聞き途端に蒼は顔を綻ばせる。健太が引くくらいに喜ぶと、蒼はすかさずズボンも下ろした。
頭を擡げた健太がトランクスを押し上げ、染みをつくっていた。
蒼は喉が鳴るのを堪え、務めて冷静に言った。
「お願い」
薄っすらと目元を赤くする健太をじっと見つめる。健太の視線は泳ぎ忙しない。
「くそっ、好きにしろ」
片手で顔を覆い、諦めたように言い放つ健太に蒼は歓喜を示してみせた。
気が変わらぬうちに自身も取り出し、健太に跨った。
「そういうお前も、デカくしてんじゃねえか」
「うん。我慢するのがやっとなんだ」
「変な薬使うからだろ」
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