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 そのアカウントの過去ログを見ると、暮らしていくことの辛さ、自身を取り巻く環境を嘆く、否定的な文章が延々と並んでいた。そして、そのアカウントを更に虐めるような否定的な返信がたくさん並んでいた。  青年は我が事のように胸を痛めた。  このままではアカウントの主人は、自分の人生に絶望して、自ら命を絶ってしまうのではないだろうか? そう思った瞬間、青年の手は動いていた。 〈気を落とすな。間違っても死んで楽になろうなんて考えてはいけない〉  それから青年は、堰を切ったようにそのアカウントへメッセージを送り続けた。それは、天国の暮らしでずっと感じていた、モヤモヤした思いから発せられたものだった。 〈死んでも決して楽にならない〉 〈天国なんて死んでまで行くところなんかじゃない〉 〈生きていく方が賢明だ。君を心配してくれる人たちが必ずいる。死んだらその人たちとももう会えない。助けてもくれない〉  しばらくすると、アカウントからメッセージが返ってきた。 〈心配してくれてありがとう。おかげで、すこしだけ元気になれました〉  それを見た青年は、目頭が熱くなった。  生きていた時は、ずっと独りぼっちで、誰の役にも立てなかった自分でも、誰かの命を救う手助けができたなんて。  すると、更にアカウントから返信が来た。 〈それにしても、死後の世界を見てきたような書き方ですね〉     
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