悲鳴(エリオット)

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★ランバート  前庭で起こった事件はすぐさま城へと伝えられた。  街警に出ていたファウストはすぐさま出入り口になる門の警戒を強化し、街へも人を出した。  シウスは前庭へと出て場を落ち着かせると同時に状況把握に動いている。  クラウルも犯人捜索の為に動き回る事となった。  ランバートは手術室の前にいて、扉が開くのを待っている。それというのも、エリオットと共に手術室へと入った人物の話を聞いたからだった。  事件後数十分で扉が開いた。そうして現れた手術着姿の人物に、ランバートは駆け寄った。 「ハムレット兄上、オスカル様は!」  なんとも気の抜けた様子のハムレットは、それでも医者の顔をしている。穏やかな様子で頷くのを見て、ランバートも気が抜ける思いだった。 「傷の角度が悪くてさ、少し縫うのに時間がかかっちゃった。でも、臓器に傷はついてないよ。筋なんかも平気。しばらくはリハビリにかかるけれど、元通りに戻る。勿論傷跡も綺麗になるように丁寧に縫っておいたからね」  それを聞いて、ランバートは安心した。オスカルが刺されたと聞いて、まさかと思ったのだ。 「ランバート、僕は頑張ったんだから、何か…」     
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