悲鳴(エリオット)

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 丁寧に落ち着いて頭を下げるエリオットに、ハムレットは何でも無いように優しい声をかけている。おそらく気に入ったんだろう様子に、ランバートは苦笑した。 「ハムレット兄上は、どうしてここに?」 「ウェインさんに会いに来てたんだよ。ニアの事を話にね」 「ニア?」 「譲り受けた子猫。ニアって名前を付けて元気に育ってるんだ。去勢はしようと思ってるんだけど、どのタイミングがいいのか分からなくて相談したら、様子も聞きたいし会おうって事になってね」  少し前に、宿舎で産まれた子猫をハムレットは引き取った。どうやら愛情たっぷりに育っているらしい。人懐っこい子だったが、変わらないようだ。 「でも、結果的に良かったかな」 「はい、助かりました」  冷静にそう返すエリオットの雰囲気は相変わらず厳しく冷たく痛いものだ。それを肌で感じるハムレットは苦笑して、エリオットの肩を叩いた。 「決着つくまで、僕が彼の側に付こうか?」 「え?」 「呪い殺しそうな顔してるからさ。しばらく処置室から動かせないんだし、僕は一通りできるよ。その間に、憂さ晴らししてきたら?」  エリオットの瞳が、暗く光ったように思う。だが一度瞳を閉じ、再び開いた時にはその闇は消えて確かに前を向くものとなっていた。     
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