135人が本棚に入れています
本棚に追加
(3)
……ぁ?
『身体で』って、どういうこった。
「なんだよ、星雲のはずれのエラルディン鉱にでも売り飛ばすってか」
自分で言うのもアレだが、確かに、俺の取柄は身長六フィート七インチ、ウェイト百九十五ポンドの頑丈でデカい身体くらいのもんだしな……。
だが店主は、「は?」とひと声。
ごくごく短い感嘆の……というか呆れ声というかなんというか。
ともかく基本的には、相当にケタクソ悪い応答を寄こしやがった。
「『鉱夫として売り払う』など。高性能かつ、安価で、休息も必要とせず、人間の数十倍の馬力を持つ専用人型が普及している昨今。『人間』の鉱夫を使う鉱山が、宇宙広しと言えども、一体どこにありましょうか」
「う…」
「貴方なんぞ売り払ったところで、二束三文にもなりはしません」
このジジイ、めちゃくちゃキッパリ言いやがって。
「だったら……一体」
「ですから、その身体を『私』に捧げて戴きたいと。そう申し上げているではないですか、先から」
「おいちょっと待て。っていうか、自分、何言ってるか分かってんのかよ」
最初のコメントを投稿しよう!