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「一応さくらの分も用意しておくって」
「いつもごめんねぇ」
「今更だろ」
申し訳ないと眉を下げた美桜に、葵が呆れたような顔をして肩を竦める。
彼らの時間は、いつも共にある。
仕事で忙しい母に代わって美桜を育てたのは、葵の母に他ならない。もちろん美桜の母が放ったらかしにしていたわけではないから、美桜は今でも母親と仲良くしている。
それでも葵と過ごす時間が増えればと思ってしまうのは、隠しているだけで失くしたわけではないからだろうか。
「そう言えばさくら、英語の予習したか?」
「え、ううん、してない。いつもしてないじゃん」
知っているだろうと悪びれる様子もない美桜に、葵はため息を吐くとともに携帯のロック画面を見せた。
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