第2章 心の旅

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「どこに行くのだっ? もう外は暗い。叩いたりして、 ごめんよ。お兄ちゃんが 悪かった。だから、どこにも行くんじゃない」  兄は泣きながら外に出ていこうとする、妹の腕を外にいかせまいと掴んで、必死に宥めた。妹は言うことを聞かないとばかりに、腕を解こうとした。 「お兄ちゃんも、学校でいじめられている」  告白を耳にした妹は、動きを止めた。そして涙目で、兄の顔を見ていた。 「お兄ちゃんも、いじめられているの?」  蚊の鳴くような声で訊いてきた。 「ああ、お兄ちゃんも、学校の不良少年たちに、毎日いじめられている。真美のように、臭いとか、ゴミ人間とか言われているよ」  兄は、泣くのを止めた妹の眼を見つめたまま、重い口調で告白していた。        
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