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「世話のかかるお嬢様だ」
呆れたようにそう言われ、ムッとする私。
でも、そこで言い返すといつもみたいな独りよがりのケンカに発展してしまう。
今、落ち着いた女性になろうと改めて決心したところなのに……
私は一旦落ち着こうと軽く深呼吸をして、顔を隠していた両手を顔から離した。
「……べ、別になんてことないのよ。ただ……そ、そう、あなたにくっ付いて……眠ってみたかった……だけ……」
言いながら物凄い羞恥心に襲われた。
男を喜ばす、甘え上手な女を装ってみたかっただけだった。
ただ、その選択肢は私にとってはかなりの上級者レベルのチャレンジだったらしい。
言いながら最後の方はかなりか細い声になっていき、自分の恥ずかしさをさらに増しただけだった。
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