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そう反応したけれど、疑っているのか私を後ろから抱きしめ、「なにを言っていた? 教えるまで離さない」と、まるで大人げないことをされ、私も困り果ててしまう。
ただ、もし「白髪」のワードを聞かれていたら、もっと責められていたのかもしれないと思うと、背筋がゾッとした。
「ちょっと! いい加減にしないと朝食に間に合わないわよ」
「たしかに腹は減ったな。ところで、目覚めのキスはしてくれたのかな?」
寝起きの擦れた声が耳に届き、直の肌はぴったりとくっついて私を捕えて離さない。
そんな状態でキスの要求をされると身体が疼き、せっかく引いていた頬の赤色はまた再発してしまった。
「したわよ、でもあなたが気付かなかっただけ。ざ、残念ね!」
「そうか、気付かなかったのか。それは残念。じゃあ寝起きのキスを頂くとしようか」
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