高柳&凛子夫婦のお話(1)

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私の大きさだけは一人前以上の胸がお気に入りの彼のことだから、次はそこに手が伸びまさぐるのだろう。 私の予想は当たり、背中に周っていた右腕が私の左胸に伸びてきた時だった。 私達の息遣いしか聞こえなかったこの部屋に、”ピンポーン”という機械音が鳴る。 朝食を運びに来たホテルのスタッフが、この部屋のチャイムを鳴らしたんだ。 「ちょ……朝食の時間ね。ちょうどいいじゃない。お腹も、す、空いたわ」 「……チッ」 この状況にうろたえる私とは反対に高柳は舌打ちをし、不機嫌をあらわにする。 そして高柳は私から離れると、手渡していたバスローブを身に着けた。 「もっと早く起きるべきだったな」 「二度寝した人が言うことじゃないわ」 「……ごもっともな意見だ」
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