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私の大きさだけは一人前以上の胸がお気に入りの彼のことだから、次はそこに手が伸びまさぐるのだろう。
私の予想は当たり、背中に周っていた右腕が私の左胸に伸びてきた時だった。
私達の息遣いしか聞こえなかったこの部屋に、”ピンポーン”という機械音が鳴る。
朝食を運びに来たホテルのスタッフが、この部屋のチャイムを鳴らしたんだ。
「ちょ……朝食の時間ね。ちょうどいいじゃない。お腹も、す、空いたわ」
「……チッ」
この状況にうろたえる私とは反対に高柳は舌打ちをし、不機嫌をあらわにする。
そして高柳は私から離れると、手渡していたバスローブを身に着けた。
「もっと早く起きるべきだったな」
「二度寝した人が言うことじゃないわ」
「……ごもっともな意見だ」
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