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苦い顔をしたまま立ち上がり、彼はスタッフを迎えるため、渋々寝室を出て行った。
そんな高柳の後ろ姿を見送っていたら、笑いと残念な気持ちが同時に込みあがってくる。
そしてこんなことがとっても幸せと思える今が、すごく幸せな時間を過ごしていると心から感じていた。
私は乱れていたバスローブを整え、ホテルのスタッフが用意してくれた朝食がある部屋へと向かう。
そこにはふわふわのオムレツやカリカリに焼いたベーコンのプレートに、緑色がとても輝いている新鮮なサラダ、濃厚なコーンスープに五種類はある様々なパンが揃えられていて、季節のフルーツが盛られたデザートもある。
洋食をメインとした食事が用意されていて、珈琲の深く香ばしい香りが部屋に充満していた。
「洋食か」
見るからに美味しそうな食事なのに、高柳は少々不満げだった。
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