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「……気持ちよさそうに眠っているわ……人の気も知らないで」
昨夜、求められるだけ求められ、もう無理だと懇願しても繋いだ身体を離してくれなかった。
藤堂とは完全に縁が切れ、お互い素直になり、改めて愛し合った夫婦として生きていきたいという気持ちを伝えあった。
だから、昂った感情がどこまでも急上昇してしまったのだと思う。
欲望という針が完全に振りきれた高柳の暴走が止まらなくなった結果、快感と共に筋肉痛の痛みが私に残った。
「あなたは具合はいいでしょうけど、私は……」
小さな声で独り言を呟きながら、私は彼の頬を淡いピンク色が施されているネイルの先で突っつく。
そして、その先に紡ごうとした言葉を一瞬躊躇した。
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