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「わあ」
ものすごく本格的なディナーが並んでいた。
「これ、すごいですね」
まず。形抜きしたサフランライス。淡い黄色なのだが、深みがある。サフランは花の名前だ。味は少しスパイシーで香りが良い。インド香辛料のターメリックみたいに黄土色がかった黄色になる。
それから、濃い緑色のみじんパセリが散った、白いぺシャメルソースとシーフードのスープ。
サラダには飾り切りラディッシュとベビーリーフと縮れ菜の粒マスタードの入っている。
スコッチエッグみたいなミートローフに、濃厚な赤ワインのソース。
「……」
(どうしよう、凄すぎる)
…カラムーチョ…どうしよ?私のお持ちよりは湖池屋カラムーチョ一袋なんだけど。でも普通、パジャマパーティーってこういうものよね?それとも世間はいつのまにかセレブリティパジャマパーティーに……
(あああ…)
「嫌いなものが多いのかい?」
心配そうに桜月さんが聞く。
「いやいやいやいやいやいや」
慌てふためく私に桜月さんは目を細める。
(ああ、嫌いなものはありませんよ!ありません、桜月さん!)
「むしろ!大好きです!」
(ああ、異様な大声になっちゃった)
反省してうなだれる私。
桜月さんは、くすくす笑って、私の頭を撫で撫でした。
「では。た~んとおあがり」
「はい」
(ああ、子供扱いにシフトチェンジ)
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