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食事が終わり、紅茶を飲む。
美しい彩色だ。フランスから輸入されているもので、缶のデザインが美しい。
カトラリーとセットになっているものらしく、余計なものを持っていない桜月さんでも、このティカップは私とお揃いだった。
缶の中には金平糖入りのグラニュー糖。紅茶はテトラパックに入っている。ピラミッド型(四角錐)で茶葉が自由にジャンピングして広がるとのことです。
そんなテトラパックにお湯を注ぐと紅茶になる。そして、この金平糖のグラニュー糖を入れると紅いティーの中にキラキラと砂糖の星が浮かぶ。浮かびながらくるくる回って溶けていく。
可愛らしさと悲しさが入り混じる美しさだった。
私は真剣に考え込んでいた。
考えた割には思考が停止している。
と、桜月さんが言った。
「そんなにイヤがらなくても襲わないよ」
「え!?」
「なんか考え込んでいるけれど、身の危険はまったくないから安心していいよ」
「…」
「ほら。お風呂沸かしてくるから入って。
もちろん、鍵はついてるから安心していいよ」
「…」
「男のベッドだけど、布団は新しいの買ったから」
「…」
「俺はソファーで寝るからね」
「…そんな」
「じゃあ、一緒に寝る?」
「そ、それは」
「ははは」
桜月さんは笑い、私の頭をポンポンした。
「ほら、お風呂に入っておいで」
すべて決められ
私はお風呂を借りることになった。
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