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(どうしよう)
お風呂に入る前に体を洗うのだけれど、お洋服を脱いで、所在無げに畳んで。そしたら大きな鏡に私の裸体が、ど~んっと映った。
(きゃあああ!幼児体型!これは幼児体型だと思うわ!)
っていうか。
(食べすぎ?お腹ぽっこりしてない?)
私のアパートの鏡は顔くらいしか映らないのだけれど、桜月さんちのバスルームは広い。
広いだけではなく、アイボリーよりクリーム色がかった室内にはドライ機能もついている。洗濯物も干せるようになっているようだ。
しかし、今はそんなことを気にしてはいけない。曇り止めされているであろうガラスの鏡ちゃんに映る自分の体型が問題だ。
「……」
私は色が白い。それが上気して、やや桜色に上ずっていた。首は細い方で後れ毛が心細げに揺れている。セミロングの髪はやや内巻きにしていて、今は後ろに束ねている。
胸はそんなびっくりするくらいはないけれど、まあそこそこで、ピンク色の小さな突起が恥ずかしげにしている。
そしてお腹は……あまり筋肉がついていないので、ああどうしようという感じ。お尻は自分では可愛いと思っている。お尻と足首には自信があるかなあ。誰と比べているわけでもないけれど。ただ、『色気』というものは圧倒的にない!!
だから私は、ええいっと椅子に座った。
そして髪の毛から洗うことにする。
(いつもなら上から順に、髪の毛にシャンプーしてリンスして、顔を洗って)
私は今回のためにお泊りセットを買っておいた。
自分のお気に入りの桃とスイートアリッサムの香りがするシリーズだ。
ボディケアまで同じものが使えるところがお気に入り。
「ふう……」
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