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「おかえり」
桜月さんは一瞬、おめめがまんまるになった。
「な、なんですか?!(なんか変ですか。変だったら直します。言ってください)」
「いや。パジャマ……かわいいね」
「え、えへ」
私はこの日のためにパジャマを買っておいた。
白地に黒い細いストライプ。上下のセットアップで、襟や袖には細い黒のバイヤステープ。開襟シャツになっているが、そんなに開いてはいない。ウエスト部分には黒いリボンがアクセントでついている。Aラインのキュロットスカートで、ミニなので膝より上だ。裾は細かいフリル状になるようにゴムが緩く入っている。お姫様風かぼちゃパンツという感じで一目惚れしてしまった。
「このパジャマ、大好きなんです。桜月さんも好きですか」
「うん」
桜月さんは微笑んだ。
「早織ちゃんにとても似合っているよ」
「ありがとうございます」
桜月さんは私を見て微笑んだ。
「お風呂から出たら約束だったね」
「え」
「髪の毛、拭いてあげる」
タオルで優しく揉まれた。
(ひゃあああ、気持ちいい)
それからドライヤーをかけられた。
いたれりつくせり。
「あ」
「え?」
「これ、スイートアリッサムだ」
「……」
私は驚いた。
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