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「君は悪くないんだ、だけどね君のお兄さんは……」
彼は何を言っているんだろう? だって、結婚をしたいってワタシの家族に今日挨拶に行ったばかりじゃない!
そんな言葉を言いたいのに、なぜかワタシの口からは何も出てこない、出せなかった。
「だから……復讐をするんだ」
彼は夕日で赤々と燃えるように輝く刃を首筋に近づけ、
「大切な人を失った人を近くで見る辛さを」
その焼けたようなナイフを首筋に這わせ、
「大好きだよ、ハナ」
そのまま引いて……
「イヤァ!!」
夕日の赤よりも濃い液体がアナタの周りを濡らしていく、ワタシはその様子を見ている事しか出来なかった。
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