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僕はその後から、ソイツの事をずっと調べた。
そして見つけた、彼女を。
最初は妹を殺した男に近づくためだった、泣いている彼女を偶然見つけた時にこれはチャンスだと思った。
僕に好意を持った事も。
こちらとしてはそれが好都合だと思った。そう、ただそれだけだと……
「かわいいよ」
「素敵だね」
「好きだよ」
そんな言葉を投げかけているうちに、僕の心は本当に……
「えっ?」
だから君の手を拒んだ時、僕の心は傷んだ。
「ごめんな。けど、僕は君が幸せになるのを待ってたんだ」
たしかにそうだった。
けど……
「今の君は幸せだろう? 世界中の誰よりも」
……僕もそうだ。
妹の事を忘れられたら……君のお兄さんの事を忘れられたら……こんな出会いじゃなかったら……
「大好きだよ、ハナ」
それと……ゴメンね。
涙が夕日で赤くなって、綺麗だな……
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