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※
兄はワタシに全てを話して警察に行った。
「死んだような目の妹を見ていられなかった」
そう話したそうだ。
ワタシは何度も彼の元に行こうとしたが、毎回邪魔が入ってしまう。
まるで彼が来るなといっているかのように。
ワタシがアナタと会えるのはいつなのだろうか。
※
あれから50年、ワタシはその日をずっと待っている。
「ようやく、ですね」
彼は50年前と変わらずに笑顔だった、ワタシが一番好きだった笑顔。
「もう、兄さんもいません。そろそろ……いいですよね?」
見えるもの全てが歪んでいるのに、アナタの顔だけはハッキリと見えて……
「ありがとう。いまでも……大好きです」
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