the truth

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「有、大丈夫か? あの女に何をされた?」  必死の形相で亘が訊ねてくる。 「大丈夫――眠いだけ」 「ゆう」  眠らせてよ、と言おうとしたとき、大きな睡魔の波がやってきた。抗えない。  救急車を呼ぶ亘の声が、遠のいていく。  ――大丈夫だよ。眠いだけだって。  眠っている間に、すべて思い出す。次に起きた時にはきっと、亘との時間を取り戻しているはずだ。すべて。
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